みなさん、こんにちは!ブログへのご訪問、ありがとうございます♪
今年度も、福祉を学ぶ高校の学生さんに、実習前の心得をお伝えするマナー研修を担当させていただきました。
今年度は、
4月18日に三重県立飯南高等学校さま
7月5日に三重県立みえ夢学園高等学校さま
7月11日に三重県立明野高等学校さま
の3校の福祉系列学科の学生さんにご受講いただきました。
介護現場の実情
介護現場では、日ごろから「人材不足」が課題となっています。
そのため、「利用者への心温まる介護」を行える以前に、「職員都合で業務をこなす」という状況になってしまっている事業所がほとんどです。
そんな中、実習生を受け入れることは、現場のスタッフにとって、普段の業務もままならないのに、相当負担のかかることではあります。
しかし、介護に興味を持ち、この世界をめがけて学ぶ貴重な学生を育成することは、日本にとって不可欠です。また、新卒採用の応募理由には「実習に訪れて、いい職場だと感じたから」と語る学生も多く、実習施設を担うことは若手人材獲得のためにメリットが大きいものです。
このメリットが理解できず、実習生受け入れをただただ負担に感じ、残念ながら実習生に対して心無い対応をとってしまうスタッフがいる、というお話が聞こえてきます。
実習中に「強い口調で注意された」「なにも指示をもらえず、ただずっと立ってみているだけ」「スタッフさんに訊きたいことがあっても怖くて話しかけられない」「スタッフさんが利用者さんに対してひどい応対をしているのを見てしまった」こんな辛い経験から、せっかく福祉系列学科に学びに来たのに、介護の道を進むことを断念する学生が多く存在しています。
「働く」という経験のない学生が、現場でうまく立ち回れるのはなかなか至難の業。
しかし、現場も忙しくて、手いっぱいで、丁寧に指導できないという現状も理解できます。
わたくしは、そのような負の状況を少しでも減らせられるよう、介護事業所で研修を行う際には「スタッフ同士や新人さん、実習生へのコミュニケーションスキル」について、相手と心が繋がる応対をお伝えしています。
また、学生さんには「お世話になっているという自覚を持ち、感謝の気持ちを学びの姿勢で示しましょう」「ハキハキ返事をし、自分から進んで声をかけましょう」という応対スキルをお伝えしています。
介護現場は常に業務に追われる日々。その中で時間を割いて指導をしていただける立場として、「教わる態度」をわきまえ実習に挑んでいただきたいと考えています。
新人や実習生に求められるものは?
先輩職員が新人に求めることは、「技術や知識」よりも、「礼儀作法」と「やる気」です。無礼な姿ではなく、人として、相手に不快な思いをさせない接遇マナースキルを備えておくと安心です。
たとえば、「しっかり挨拶をする」姿や、「こちらから声をかけ、能動的に関わる」姿があるといいでしょう。
介護職に求められる姿は?
学生の皆さんには、「たとえば、あなたのおうちにお手伝いさんがやってきたら、どんな人がいいですか?」ということを考えていただきました。「こんな人がいいな」=求められる姿であると言えます。具体的には、「清潔感のある人」「しっかり挨拶できる人」そんな意見がありました。
また、「そのお手伝いさんが無言であなたの家に入ってきたら、どんな気持ちになりますか?」ということも考えていただきました。「どろぼうかと思う」「怖い」「挨拶もできない人に、家の中のことを任せたくない」それらの意見そのまま、利用者さんが感じる事なんだということをイメージしやすくなる問いです。
だからこそ、些細なことも「声をかける」「伝える」が大切なんですね!
実習先の利用者さんとは?
なぜ介護職を目指しているのか?と学生さんに訊くと「おじいちゃんおばあちゃん子だった」「高齢の方と触れ合うのが好き」との答えが返ってきます。
これ自体は悪くないのですが、こういった思いを持つ学生さんは、実習中にもつい自分の祖父母のように、なれなれしい言葉遣いで接することを再現してしまいがちです。
あくまで学生さんは、実習を受け入れてもらう立場であり、利用者さんは「実習先の大切なお客さま」です。この意識が低いと、思わぬ失礼な態度をとってしまい実習先に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。
そういったことを防ぐためにも、「実習先の大切なお客さま」という意識を持ち、接遇マナースキルの重要性を知る必要があります。
ニコ・キビ・ハキ!
実習生や新入社員に求められる基本スキルは、ニコニコキビキビハキハキ!
こちらは、かの有名な、株式会社壱番屋さまの企業理念のうち「社是」として掲げていらっしゃるもの。
利用者さまと、また実習先の先輩職員さんとのコミュニケーションにおいて、心掛けたいことは以下の点です。
- ニコニコ笑顔
- ハキハキ受け答え
- キビキビした態度
何かを伝えても、反応がない。返事が聞こえない。真顔で不愛想。
こんなことでは、指導する側は、教える気持ちが萎えてしまうものです。
「がんばっているな!」「いろいろ教えてあげたいな」そう思ってもらえるような関わり方についてポイントをお伝えしています。
せっかくの貴重な実習期間が、有意義な時間となるよう、関わる人に受け入れられやすい姿を知り、その姿に近づけていくことで、より充実した実習経験を積めることに繋がります。
実習・職場体験・職業体験 事前マナー研修はお任せ!
接遇マナースキルとは「相手を大切に想っているということを言葉や態度で表すこと」。
これは、対利用者さまだけに向けるのではなく、お世話になる実習先の職員さんに対しても向けることが求められます。具体的には「先輩職員として、敬う気持ちや、教わることへの感謝を表す」ということです。
これは、福祉系列学科に関わらず、今後社会で関わるすべての学生にとって、必要なスキルです。
コロナ禍の緩和によって、中学生の職場体験・職業体験や、高校生の実習などが再開し、街で実習をがんばっている学生さんを見かける事も増えました。
社会人体験の場で、学生さん自身が困らないように。また、実習先に迷惑をかけてしまわぬよう、事前にマナー研修を導入してはいかがでしょうか?最低限のルールや接遇マナースキルを身につけ、体験や実習が有意義な時間となるよう、お役立てくださいませ!
最後になりましたが、飯南高等学校さま・みえ夢学園高等学校さま・明野高等学校さま、このたびはありがとうございました。
なお先日、三重県内の6校の福祉系列学科が競い合う「介護技術コンテスト」が行われました。今年度は、明野高校さん・みえ夢学園高校さんが東海大会へ進出とのこと、おめでとうございます!!