みなさん、こんにちは!
先日のこと、三重県津市のみえ夢学園高校さまにて、マナー研修講師として登壇させていただきました。
対象者は、みえ夢学園高校 社会福祉系列の学生さん。夏休み期間中から順次、介護施設へ実習に出掛ける予定の学生さん4学年合同で20名ほどお集りいただきました。
新卒採用者の苦難
これまでコロナ禍において、実習や体験ができない数年が続いておりましたね。座学で学ぶことだけで、ケア実技に不安を抱いたまま就職した新人社員さんが、実際の介護現場の様子を見て、
「ぜんぜんできない自分」「想像を絶する現場」
など、就職前のイメージとかけ離れた現実に、心が折れてしまい早期離職しているとの状況を耳にします・・・
また「先輩職員との関係性」に悩んで、離職してしまうケースも多いのが現状です。
介護人材は不足・減少の一途をたどっています。介護業界においては、せっかく「介護士になりたい!」と夢を抱いて学んだ学生さんを、大切に育て、長くその業界で活躍する人材に育てていく必要があるのです。
しかし、人材不足により介護の現場においては常に業務に追われる日々。新人教育に時間をかけることが難しい現状でもあり、その中で時間を割いて指導をするには「新人の教わる態度」にも左右される、といった声も聞かれます。
ですから、まず教わる立場において、わきまえるべき姿を知る必要があると考えます。
今回は、就職ではなく実習ですが、実習前の心得=新入社員の心得、共通する点も多いので、そのあたりをお伝えしました。以下、研修で行った内容を公開!
新人や実習生に求められるものは?
先輩職員が新人に求めることは、「技術や知識」よりも、「礼儀作法」と「やる気」であるとのアンケート結果があります。ですので、接遇マナースキルを備えておくと安心です。
たとえば、「しっかり挨拶をする」姿や、「こちらから声をかけ、能動的に関わる」姿があるといいでしょう。
介護職に求められる姿は?
学生の皆さんには、「たとえば、あなたのおうちにお手伝いさんがやってきたら、どんな人がいいですか?」ということを考えていただきました。「こんな人がいいな」=求められる姿であると言えます。具体的には、「清潔感のある人」「しっかり挨拶できる人」そんな意見がありました。
また、ケアをするというのは体が密着することでもありますので、身だしなみにおいては「安全である」ということも重要です。例えば、「ヘアピンが落ちないようにする」「髪の毛が食事に入らないようにする」「爪を短く整える」「ポケットに不要な本数のペンを入れない」など。
実習先の利用者さんとは?
今回は、実習で施設にお世話になる学生さんが対象ですので、実習先の利用者さんの存在についても考えていただきました。
介護職に就きたいと夢を描く学生さんには「おじいちゃんおばあちゃん子だった」「高齢の方と触れ合うのが好き」というきっかけをお持ちの方が多い印象です。
そうすると、ついつい、慣れ親しんだ高齢者との関わりを実習中においても再現してしまいがち。例えば、なれなれしい言葉遣いで接する、など。
それが悪いとは言いませんが、あくまで学生さんは、実習を受け入れてもらう立場であり、利用者さんは「実習先の大切なお客さま」です。この意識が低いと、思わぬ失礼な態度をとってしまい実習先に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。
そういったことを防ぐためにも、具体的なコミュニケーションスキルを上げていけるといいですよね!
ニコ・キビ・ハキ!
実習生や新入社員に求められる基本スキルは、ニコニコキビキビハキハキ!
利用者さまと、また実習先の先輩職員さんとのコミュニケーションにおいて、心掛けたいことは以下の点です。こちらは、かの有名な、株式会社壱番屋さまの企業理念のうち「社是」として掲げていらっしゃるものをお伝えさせていただきました。
- ニコニコ笑顔
- ハキハキ受け答え
- キビキビした態度
何かを伝えても、反応がない。返事が聞こえない。真顔で不愛想。こんなことでは、指導する側は、教える気持ちが萎えてしまうものです。
「がんばっているな!」「いろいろ教えてあげたいな」そう思ってもらえるような関わり方についてポイントをお伝えしました。
接遇とは?
最後に、接遇って、なんなのか。
接遇とは「相手を大切に想っているということを言葉や態度で表すこと」。
これは、対利用者さまだけに向けるのではなく、お世話になる実習先の職員さんに対しても向けることが求められます。具体的には「先輩職員として、敬う気持ちや、教わることへの感謝を表す」ということです。
また、とくに介護職としては「個の尊厳」を意識した関わりが求められます。「尊厳=自分らしく生きられる」を支える。これがお仕事です。
「自分らしい」=自分はどうしたいかを打ち明けてもらい、それを叶える。というのも、一つの効果的な関わりです。本音を引き出せる関わり方が求められるのです。
実習では、そこまでの関係性を築くことは難しいでしょうが、それでも「利用者さまをおきざりにした態度」たとえば、認知症が進んでいて理解力が低いから、声をかけずにオムツ交換をする。といった関わり方は、あってはなりません。
そのあたりを考えていただくためにも、「接遇」と「尊厳」についてお伝えいたしました。
実習・職場体験・職業体験 事前マナー研修はお任せ!
介護業に関わらず、接遇マナースキルについて研修が可能です。
コロナ禍の緩和によって、中学生の職場体験・職業体験や、高校生の実習など、再開が見込める状況になりました。社会人体験の場で、学生さん自身が困らないように。また、実習先に迷惑をかけてしまわぬよう、事前にマナー研修を導入してはいかがでしょうか?
最低限のルールや接遇マナースキルを身につけ、体験や実習が有意義な時間となるよう、お役立てくださいませ!
最後になりましたが、みえ夢学園高校さま、このたびはありがとうございました。
なお、みえ夢学園高校さまは、今年度開催の「介護技術コンテスト」にて優秀な成績を収められたとのこと、おめでとうございます!!関連記事はこちら。